第十一回 春燈会


【日時】2025年3月30日(日)16:00開演(15:15開場)/19:00頃終演予定
【場所】福傳寺
【チケット】
一般8,000円 壇信徒7,000円(解説冊子・お花見弁当付き)
座席指定料 1,000円
ご予約はこちらからお願いいたします。

【ご案内】
第一部
法要「理趣三昧法要 表白無常」 真言宗智山派僧侶 原祥壽

生者必滅の習い 会者定離の粧い
生を享ければ、滅することが避けがたきことはお釈迦さまが説かれる通りですが、永訣の朝を迎えることはいつの世も哀しく辛いものでした。特に日本仏教は別れの苦しみに寄り添い、葬送儀礼や追善供養の方便を発達させて参りました。
第十一回 春燈会では真言宗の葬送儀礼や追善法要で修される「理趣三昧法要」を勤修し、真言宗中興の祖 興教大師 覺鑁作と伝わる『表白 無常』を復曲致します。
第十一回を迎える春燈会の歴史の中でも幾人もの方が彼岸に渡られ、特に昨年は胸を裂かれるようなお別れと旅立ちがありました。
第十回を越え、“第十一回”という新たな一歩を春燈会が踏み出すにあたり、「理趣三昧法要 表白無常」の勤修を以って、春燈会と御縁のあった方々の御霊を供養し、ご参加の皆さまには真言宗の葬送儀礼や追善法要の姿をご覧頂ければと存じます。

(休憩15分)

第二部
能「杜若 恋之舞」武田祥照

解説 山階彌右衛門

シテ 武田祥照
ワキ 大日方豊

笛  八反田智子
小鼓 田邊恭資 
大鼓 亀井洋佑
太鼓 林雄一郎

後見 山階彌右衛門
   武田崇史
地謡 武田宗典
   武田尚浩 
   清水義也

旅僧(ワキ)が三河の国八つ橋を訪れ、大変美しく咲く杜若を眺めていると、里女(シテ)が話しかけて来ます。里女は、此処が『伊勢物語』にも登場する杜若の名所で、在原業平はカキツバタの五字を句の頭にすえ、「からころも きつつ慣れにし 妻しあれば 遥々きぬる 旅をしぞ思ふ」と詠んだと紹介し、ともに杜若を眺めます。
その後、僧に我が家に泊まってもらいたいと言い、僧は里女の庵に行きます。
すると、里女は冠を頂き、美しい衣をまとい、現れます。僧侶が不審に問うと、里女は杜若の精であると明かし、業平は歌舞の菩薩の化身であり、詠む和歌は経文なって、人間や動物のみならず、私のような草木までも成仏出来たと喜び、舞を舞います。
そのうちに消えます。

能では女性を主人公にした優美な作品を鬘物と言います。この春燈会では鬘物を上演したことがなかったので今回初めて鬘物を致します。
今回は恋之舞という特別演出もつき、序之舞が特別になり、特殊な囃子事が入ります。装束も常よりも華やかになり、御本堂を背景に絵巻物のような世界をお見せ出来たらと考えています。