

【日時】2025年11月30日(日)12:45開場/13時30分開演/16時10分終了予定
【場所】セルリアンタワー能楽堂
【チケット】全席指定正面8,000円 中正面・脇正面7,000円 チケット発売日9月30日(火)
お申し込み メール gakunokai0319@gmail.com 電話 03-3990-2048 お問い合わせフォーム
ご挨拶
いつもご支援ありがとうございます。
令和四年、自身の公演会として樂之会(がくのかい)を立ち上げました。名称の由来は『論語』の「これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず」より名付けました。楽しむ者が知る者より好む者よりも重要であると言う意味です。この言葉の通り、私が憧れる方々は、人生の中で様々な障害があっても乗り越えていつまでも能に心を躍らせて続けていることに気付きました。私も役者として心躍る舞台を目指し、その舞台によりお客様の心も踊る様精進を重ねて参る所存です。
今回は金春禅竹が作った夢幻能の名作「楊貴妃」に挑戦したします。禅竹は金春座の棟梁でありながら世阿弥の娘婿に当たり、世阿弥の創作した夢幻能の方向性を継承し発展させた人物です。「定家」「野宮」「芭蕉」といった夢幻能の名作にして難曲を作曲しています。「楊貴妃」もその中の一つで、白居易の長恨歌を題材に死後仙界に転生した楊貴妃が玄宗皇帝との思い出を振り返る内容です。その舞は極めてシンプル、基本的な動きのみで、わざと構成されています。役者はその基本形のみで構成された舞を通して舞台上に楊貴妃の世界を匂い立たせなければなりません。今回の樂之会ではまさに能の真骨頂とも言える課題に挑戦を致します。御後見、御地謡、御囃子には能楽界の髄一の方々にご出演お願い申し上げ、大きな胸を借りてこの難題に臨みます。玄宗により大きな幸せを得て、その玄宗に殺された楊貴妃は自分の生き様をどう振り返り、彼の事をどう思ったのでしょうか。その先には愛とは何かいうテーマがあるように思います。稽古を通して私なりの答えを見つけ全身全霊をもって当日に臨み、お客様と一緒に彼女の心を読み解きたいと思います。
そのほか、様々なおもてなしを考えております。
ご来場を心よりお待ち申し上げております。
仕舞
小袖曽我 武田應秀 武田智継
鉄輪 武田崇史
地謡 林本 大 坂井音雅 武田尚浩 武田文志
狂言
鏡男 シテ(夫)野村太一郎 アド(鏡売り)内藤連 小アド(妻)中村修一
仕舞
花筐クセ 山階彌右衛門
地謡 林本 大 坂井音隆 松木千俊 武田文志
能
シテ(楊貴妃)武田祥照
ワキ(方士)福王和幸
アイ(蓬莱国ノ者) 野村太一郎
後見 武田崇史 山階彌右衛門
地謡 武田宗典 坂井音隆 坂井音雅 松木千俊 岡 久廣 武田尚浩
大鼓 亀井 広忠
小鼓 観世新九郎
笛 竹市 学
あらすじ
鏡男
訴訟事があって長らく都に滞在していた男(シテ)がやっと帰国の運びとなり、故郷(越後国)へ残してきた妻へ、何か土産になる物はないかと街道を訪ね歩きます。通りがかりの道具屋で見慣れぬ物を目にした男は、「女性ならば誰しもが持っているべき物」という道具屋の言葉に、その用途も知らずに買い求めますが、男も妻も初めて見る鏡に、、、
楊貴妃
唐の玄宗皇帝は、安禄山の乱の中で亡くなった楊貴妃を忘れられず、配下の方士(ワキ・道教の修行者)に、楊貴妃の魂魄を探し出すよう命じます。方士は仙術を駆使して蓬莱宮に至り、そこに住む者(アイ)から、楊貴妃の居場所を聞き出します。方士が教えられた太真殿に行くと、宮殿から楊貴妃(シテ)が現れます。
方士は楊貴妃に、玄宗皇帝の様子を伝え楊貴妃と会ったことを証明する証拠がほしいと言います。楊貴妃は髪に挿していた釵(かんざし)を、方士に渡そうとします。さらに方士は品物ではなく玄宗と楊貴妃との間でのみ知ることがあれば教えて欲しいと伝えます。楊貴妃は、七夕の夜に二人で「天に生まれたら比翼の鳥となり、地に生まれたら連なる枝となりましょう」と誓ったとあかします。そして楊貴妃は玄宗との昔を懐かしみ、思い出の舞を舞います。その後、釵を携えて方士は帰京し、楊貴妃は独り仙界に残されます。
事前講座「楊貴妃を楽しむために」
当日12時30分〜13時/参加費1,000円