第二回樂之会「自然居士」


【日時】2023年7月9日(日)13:20開場/14時00分開演
【場所】セルリアンタワー能楽堂
【チケット】全席指定 7,000円 チケット発売日4月3日(月)

ご挨拶

いつもご支援ありがとうございます。
令和四年、自身の公演会として樂之会(がくのかい)を立ち上げました。
名称の由来は『論語』の中の
 「これを知る者はこれを好む者に如かず。 
  これを好む者はこれを楽しむ者に如かず。」より名付けました。
楽しむ者が、知る者よりも好むよりも優れているという意味です。能の道を歩んでゆく中で、当然人生の様々な困難が立ちふさがってきます。それでもそこを乗り越えて、生涯にわたって能に心を躍らせ続ける大切さを痛感しております。役者として心躍る舞台を作り、その舞台によってお客様の心も躍らせるようにと頑張りたいと思います。
 
 第一回に続いて今回も私の夢である我が家の極上の能面・大喝食で、息子と能「自然居士」に挑戦致します。
この企画は息子が生まれた時にいつか是非やりたいと思っておりました。
能「自然居士」はワキ・ワキツレとの長い問答があった上に、中之舞、クセ、簓之段、鞨鼓も舞う藝づくしの能で、それだけにシテの謡と舞の力が問われます。また、今回の能面(大喝食)は江戸初期の名工・出目満永(古元休)作で端正な目鼻立ちが清純な印象を引き出す素晴らしい能面です。しかし、極上の能面はとても繊細で扱いが難しく舞手を選ぶと言われております。舞台上で様々な表情を見せて役者を助けてくれる事もあれば、力量不足ならば面に笑われ使いこなすことが出来ません。
 この度も一流の皆様に助演を願い、名作の能面で傑作を舞う武田祥照の挑戦にお力添え賜りたくお願い申し上げます。また、この度は次男・應秀(まさひで、四歳)と親子初共演となります。親子共々宜しくお願い申し上げます。

あらすじ

雲居寺で説法をする自然居士(シテ)のところへ、雲居寺門前の者(アイ)によって少女(子方)が連れてこられます。少女は両親の追善供養の為に小袖を布施に経を読んでもらいたいと頼み、自然居士が供養を行っていると、人身売買の男達(ワキ・ワキツレ)が現れ、強引に少女を連れ去ってしまいます。自然居士は先程の少女が身売りをして小袖を得て布施をしてきたと推察し、少女を助ける為に小袖を持ち、男達の後を追います。
すると丁度、舟で出発しようとしている男達を見つけて呼び止め、命を懸けて少女を取り戻すと自然居士は覚悟を見せます。その居士の気迫に男達はたじろぐも、自然居士に笑いものにする為に面白く舞を舞うように要求します。自然居士は少女を解放してくれるならと様々な舞を舞って男たちを楽しませ、ついに少女を助け出し共に都へ帰ります。

大喝食(おおかっしき)

江戸初期の名工・出目元休満永(古元休)作。満永(?〜1672)は世襲の面打の越前出目家四代目で、名工・名作が多数でた能面黄金期である江戸初期の名工の一人。
喝食とは禅宗の食事を知らせたり提供する役目の少年を言う。小喝食・中喝食・大喝食と三種類あり、前髪の描き方が異なります。小喝食・中喝食が一般的で、大喝食はとても珍しく、まして古作の名作能面は稀です。
チラシ表面の写真は実寸大です。